タカラジェンヌと『緑の袴』

タカラジェンヌと『緑の袴』
宝塚の袴は丈を少し短めに着るのが特徴。娘役は帯と袴を高い位置に、男役は娘役より低い位置に着付けるのも特徴。

着物を着ているというよりロングスカートをはいている感覚なので、歩きにくかったり苦しいなんてことはまずありません。でもやっぱり袴をはくと緊張感が出ます。背筋がピンとしますね。

すみれ売りから始まって、色んな場面で見られるタカラジェンヌの袴姿。だけどこの時以上にファンの方々の心に焼き付けられる場面はないでしょう。

それは――退団者の袴姿。黒紋付に緑の袴で大階段から降りて来て、退団の最後の挨拶をする。誰もが今までよりかっこよくて美しく見える瞬間。

これを着ることはもう二度とありません。タカラジェンヌにとっての緑の袴は“正装”であり“盛装”であり――どんな衣装にも負けない最後の最後の衣装。

えっと、私の大切な緑の袴は……かわいそうに実家の押入れの中で眠っているかな? 久しぶりに陰干しをしてあげよう。忘れかけてる思い出を、この子といっしょに思い出してみようかな?
| 振袖

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